先生
お母さんからは意とも簡単に了承が取れ、私達はドライブする事になった。

先生とドライブなんて変な感じだよ。


「新庄、どこに行きたい?」


私は少し考えた後、


「海!!」


って言った。

この地域から海はそう遠くないのを知っている。

私は1人になりたい時は、バスを使って良く海に行っていたんだ。

波の音を聞いて居ると、何だか気分が落ち着くんだよね。


「分かった。海だな」


先生はそう言うと、グッとアクセルを踏み込んだ。

車はスピードを上げて港へと向かっていた。

海に着くまで、私達は一言も話さなかった。

わざととかじゃなくて、自然に無言だったんだと思う。


私も窓からの景色を見ていたし、先生もタバコを吸いながら運転していた。


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