先生
夜の海は初めてかもしれない。


先生は路肩に車を停めると、私達は車から出た。

辺りは物音が全くしない中、波の音だけが響き渡っている。

たまに通り過ぎる車のヘッドライト以外、光はなくものすごく神秘的だった。


「すごい……」


私は思わず走り出していた。

先生は、笑いながら私の後ろを付いてきていた。

波打ち際で波が来るのを、しゃがみこんで眺めている私。



すると、後ろから



―――ドン



「ひゃぁっ!!」



思いっきり押されバランスを崩した。

危うく波に濡れそうになったんだから。


「先生!!!」


私はすぐに立ち上がり先生を追いかけた。

笑いながら逃げる先生を、砂に足を取られながら追いかける私。

後少しって所で、砂に足を取られて転んでしまった。



やっぱり、私はどんくさいのかな?!


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