せーしゅん。【短編集Ⅲ】
俺は彼女に駆け寄った。
「ゴメン、遅れて・・・。部活長引いちゃって・・・。」
俺は顔の前に手を合わせる。
早川、あいつチクリやがって・・・。
だけど、初日からカッコ悪い俺を
思川さんは天使のようなほほ笑みで包んでくれる。
「いえ、さっき着たばっかりですから。
気になさらないで。さぁ、行きましょう。」
ウウ・・・やっぱり思川さんは優しい人だ。
俺は汗ばんだ手をズボンで汗を拭きとり
そっと彼女の手を握って歩き始めた。
それだけでも心の中バックバク。