せーしゅん。【短編集Ⅲ】
≪恋心≫






「課題できた者はSHR後、先生に提出しろー」



SHR後、何名かの生徒は先生に課題プリントを提出する。



僕もその一人になろうと席を立ちあがるが


ふと自分の答えに不安を持ち


それを躊躇してしまった。




「ヒイくん出さないの?」



提出し終わり、席に着くゆかちゃんが


僕を不思議そうに見ている。



「あっ…うん」


僕は静かに席に座り


手に持っていたプリントを机の中にしまった。



「ゆかちゃんは課題なに書いたの?」


「ん?えーっと…」


ゆかちゃんは照れたように頬を赤らめ


自分のシャーペンで僕の机に何か一文字を書いた。



『恋』


“え?”と僕が言葉を漏らす前に


彼女は僕の消しゴムでそれを消してしまった。



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