色葉
あさになんで?
登校してきたら教室にいないはずの人がいた


「えぇっと、なんで高橋先輩がここに居るんですか?」


「あぁ、放課後はどうも相性が悪いみたいだから、朝にしようと思って。」


確かに高橋先輩と放課後に約束してたが尽く果たせなかったな


ってなんの約束をしてたんだったか?


「それにこれをいち早く見せたかったってのもある」


高橋先輩の指す方向にはダンボ-ル


何あれ?


オレの疑問を読んで高橋先輩が納得したような表情を浮べる


「あぁ、そっかそっか。説明しないといけないのか。あれは試作品。


うちの学校はこういうイベントで使う道具はあらかじめ試作品が配られるんだ


今回は数も十分あるから1時間目の体育を自習にしてもらってこれを使って予行練習をしてみようと思ってる」


「なんでそんな簡単に自習にできるんですか?」


多すぎるだろ。一昨日も自習になったよな。後で補習なんてオチだったら先輩恨みます


「私立だから融通が利くんだよ。それに先生方もこういう行事が好きな人が多い。


おまけに賭けまでしてる人もいるからそういう人の授業なら比較的簡単に自習を認めてくれる


まぁスポーツ科に賭けていた場合だけだがな」


なんていうか教師も人間っていうか。俗物的だ


「そーいえば賭けっていいんですか?」


「先生の個人的な賭けは知らないが、生徒会でやってる賭けは食券だからな


興味があるなら雛森にいうといい。優勝チームを当てたら食券五千円分だったかな?」


「本当ですか!?」


五千円!?なんて魅力的な。一人暮らしのオレには喉から手が出る程欲しい


高橋先輩はなぜか少し身を引いてるが、そんなのは関係無い。


なんたって五千円。これなら3ヶ月くらい食費が浮く


「あぁ、本当だ。新年度一番始めの賭けは一律だった気がした。自信がないから詳しくは雛森に聞くといい」


よしゃぁ~。これは俄然やる気が増してきた。絶対負けられない戦いだな


「それより石動本題だ。戦略というものをお前に教えてやる」


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