色葉
入学式


クラス分けの掲示の前



ない



伝わるだろうかこのうれしさが


あの幼稚園から必ずあった名前がない


この事実だけでオレはうれしさのあまり叫喚できる



しないけど



したら危ない人だし


でも3回は見たけどね

だって今きっと人生で一番楽しいし


満足というか嬉しさと幸せを十分堪能した後クラスに移動した



クラスは1組で40人


席は五十音順で端から埋まっていく方式だからオレもしかして一番前か!?


と軽く絶望したが窓側の真ん中だった


あれだ


夏熱く、冬寒い


最低な席だな


南側の日当たり良好


まぁ冷暖房完備だからあまり気にならないはず


「ねぇ、キミなんて名前なの?」


声がした方をみると男が立ってた


いや、多分男


声は低かったし


180あって肩幅の広いオレと真逆に位置する感じ


背はオレの胸元くらいで、細くて華奢。


地毛なのか、染めたのか、


黒ずんだ茶色髪は無造作に後ろで結んであった


とてもよく似合っている


かわいいって呼ばれる部類の人間だろう


しかしその目は好奇心?歓喜?


よくわからない感情でギラギラ輝いてた。


「えっと。オレは石動陣。そっちは」


「ふ~ん。陣くんか。おれは大杉秀(おおすぎしゅう)っていうのよろしく」


手を突き出して握手を求める秀に応えるように握手をした
< 3 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop