色葉
番外1


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宮下千景は数研前のベランダで紫煙を見つめながらぼんやりと放送を聞いれいた



1限目終了と同時に始まった放送は今ちょうど同好会の役割発表を行っている



今回参加するのは新入生のみな為


上級生を楽しませるため中継をするらしい


そのための関連機器と技術の提供は同好会に頼るらしい


校風として校内のストーカー行為を黙認している形なので


写真や映像に関して異様に詳しい者が多いし、知りたがる者も当然多い


その技術を競わせ、活用し、発展させる機会でもあるので概ね同好会も積極的に手伝いをするらしい


ルールをかいた冊子はいつの間にか数研に数冊積んであった


数研だけでなく、きっと要所要所に置いてあることであろう


当代の生徒会長はこういうとこに抜かりはない


ルールをかいた冊子はさっきザッと読んだが良くできていた


「一晩でできたとは思えない」


「千景先生にお褒めいただいて光栄ですね。でもこれは去年の文化祭の類似ですからたいして苦労はしてませんよ」



千景は独り言に返事があったことに対する驚きより、声を発した人物に対しての嫌悪感の方が強かったらしい


千景の顔が不機嫌に歪んだ


「なんでてめぇがいんだ?最高責任者だろうが」


「そんなに露骨に嫌な顔をされると悲しいですね」


全く悲しさを感じさせない声でそんなことを言い隣に座る当代生徒会長


「誰が隣に座っていいっつった?」


「私と貴方の仲じゃないですか」


快活に笑う藤木静当代生徒会長と顔をますますしかめる宮下千景


普段の二人を知る者が見たら驚いたであろう


普段ちゃらんぽらんで変人な会長は普通の男子学生のような雰囲気



宮下千景も中性的で穏やかでどこか超然としていた普段の姿とも


石動陣を相手にする時のような女性的で楽しそうにはしゃいでる姿とも違い


粗野で無骨な男性的な雰囲気をしている


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