色葉
せんぱい
「まぁ元気だそうよ」


そんなことを秀に言われるくらい疲労していた


最悪だった


何がってひとつしかない


数学だ


黒板にかかれた20問のうち5問も正解したっていうのに



「秀。元気出すから手伝ってくれない?」


「嫌だよ。おれ数学苦手だし。石岡さんは良くできてたよね?」


そう長は優秀だった。


宮下先生は人を困らせるのが趣味らしく


隙あらば生徒を当てて問題を解かせた


ほとんどの生徒が撃沈していたが長はなかなかの正当率を誇った


そうか長に教えてもらえばいいのか


「長。折り入っておねうわぁ」


「誰のことをいてるのかなぁ石動?」


裏拳を躊躇なくぶっ込むのはやめてほしい。普通に危ない


清じゃあるまいし。当たれば沈んでしまう


「すみません。石岡さん。お願いだから手伝ってください」


そう言って悪魔から・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・宮下先生からもらったプリントを石岡さんに突き出す


あまりにも正当率が低いため宿題を課せられたのだ


「嫌よ。人に教えられるほどできてないし」


え!?あれで?


秀と目線で確認する


・・・・・・・・・だよな。あれだけ答えられれば出来る領域だ


よかった秀はオレ側だ。


更に低頭平身して頼もうとしたところ


――――――ガン


勢いよく、盛大な音を立てて教室のドアが開いた


何事だ?と音の方向を見ると既にそこに人影はなく


ドアを開け放ったらしい人物は教卓の上に手を置いてこちらを睥睨していた




< 47 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop