色葉
そんな時だった


「石動!!!」


教壇からオレのとこまで突き刺さるような鋭い呼び声


国語教師に当てられていたのか!?


2・3回無視していた程度の声じゃない


「はい!!」


こういう時は元気よく、ハキハキと


そして質問に正しく答えれば完璧


っても質問の答えわかんなきゃ意味ないが


秀と目配せし、了承を得た


よし、これで完璧だ


国語教師の雰囲気が少しおかしいが無視できる範囲だろう


なんか小馬鹿にしたような、慈愛に満ちたような、呆れてるような、そんな雰囲気


「石動。授業が始まってから何分経ってる?」


ん?なんか変な質問だな


まぁいいか。これならオレでも答えられるし


オレが5分遅れて来て、その後授業


「えっと、25分くらいです」


「そう。25分なんだよ。で、石動25分何してたんだ?」


こういう時の反応は決まってる。間髪入れずに答える


「授業を真面目に聞いてました!!!」


その答えを聞いて「はぁ」と心底呆れ果てたというようなため息をつく福原先生


「教科書なしでか?」


は?




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ




そうか教科書ってもらうんだったな


ぶ、はははははははははは


清の笑い声が合図になったように笑い声の響く教室


「石動が自分で気付くのを待とうと思ったんだが、無駄なような気がしてな。


本当は何をしていたか、については聞かないでやる。まぁ真面目な石動のことだから予想は立つが」


そう言って秀と長を見る福島先生


見事正解です

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