秘密な私の愛しき人
おかしな話だよね。


相手の実家にいるなんて…



「それで…風内くんは…?」


美佳が少し気まずそうに聞いてきた。



「えっ?洸くんは普通だよ。
私がここまで普通通りに戻ったのも洸くんがいてくれたからだし…」



明るく言う私とは反して美佳の顔は一瞬、陰った。



そういえば前、洸くんの話をしたときもこうなった気がする…



「穂樺…、大丈夫?」



気がつくと美佳が今にも泣きそうな目で私を見ていた。



「私も彼氏がいるからよくわかるよ。何かあったら絶対に私に言ってね!」



そう言って美佳は私の手を強く握ってくれた。



いつもは可愛い存在の美佳もこういう話になると一気に大人っぽくなって、いつも私を支えてくれる。



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