秘密な私の愛しき人

[琉side]

【琉side】



穂樺は俺のことを見るとすぐに部屋に入ってしまった。



「……いつからいたんだよ」



洸が俯きながら聞いてきた。



「…お前が『穂樺が毎日つらそう』て言ったときからだ」



「結構、前からいたんだな」



洸は複雑そうに少し笑った。



本当はすぐに出て行って穂樺を抱きしめたかった。


だけど…穂樺のつらそうな顔が、洸の真剣な言葉を聞いていたら動けなかった。



「言っとくけど、あれ本気だから」


洸の目が俺の目を捉えた。





…本当はわかっていた。

洸が穂樺のことを思っていることを。



穂樺を見る洸の目が凄く愛しそうだった。



最初は信じれなかった。


でも、すぐに本気だとわかった。


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