秘密な私の愛しき人
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「…ぃ。…おい!」


ハッと気がつくと目の前には樹の顔がどアップであった。



「なにやってんだ?樹」



「それはこっちのセリフだ!いくら声かけても反応ねーし。ほら授業行くぞ!」



そっか。

今日は穂樺と洸に学校の授業の日か…



俺たちは荷物をまとめて会社を出た。



「にしても…お前ほんと大丈夫か?」



少し心配そうな顔をした樹が顔を覗きこんできた。



大丈夫…じゃないかもな。



最近、ボーッとしてることが増えたし眠れねーし。



「いつまでも意地張ってないで穂樺ちゃん迎えに行けよ!」


痺れをきらしたように樹が言った。



迎えにいけねーのは“意地”じゃない。



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