秘密な私の愛しき人
ドキドキ心臓がいってる…



「結婚、してません」


私は、はっきり言った。



本当は嘘なんてつきたくない。


堂々と「してる」と言いたかった。



だけど、私は学生だから…つらい気持ちをぐっと我慢した。



「そうか……。ちなみに張り紙をした人に心当たりは?」


「ありません…」



本当に…誰があんなものを。



私が結婚しているのを知っているのは学校では洸くんと美佳だけ。


2人とも他人に漏らすことはない。



誰が…一体…?



「わかった。教室に戻っていいぞ」



私はホッとして職員室を出た。



とりあえず最悪の事態は切り抜けた。



でも気は抜けない。



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