宙機オデッセイオン01
コーコルニィ
空は晴れ渡って真っ青だ
天空に通づる道はどこまでも澄み切っているようだ

その日の午後
いともたやすくノーサイドを決めた少年は
おやつを食べるために
学校近くの自宅のユニットハウスへ戻った

ママ
ママ

コー、コルニィという少年には
まだこの世の痛みなどわかってはいない
けれど
父親似で精悍な顔立ちは
同級生の女の子の気持ちを惹くには充分だ

コー、コルニィはそれほど体格は良くないが
優秀なラガーマンだ

帰ったら手を洗いなさい…でしょ

姉弟程度の歳差のなさそうな母親がキッチンから出てくる

また考えてたんでしょ パパのこと

どうしてそう思うのよ コー

パパは意気地無しだよ
いくら頭が良くて世界に科学的貢献をしても
僕に何の記憶も残さず行っちゃった
僕はパパのこと写真でしか知らない

同級生に何か言われたの

だからだよ
僕はあいつをぶっ飛ばしてやった

先生も事情を知ったら許してくれた

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