Love Step
「ゆきちゃん、わたしは全然負担じゃないからね?ママが仕事で遅くなった時は作っていたんだから」


「もちろん杏梨が料理上手なのは知っているよ 後でゆっくり考えよう 疲れただろう?お風呂に入って寝ると良いよ」


「うん」


お茶をもう一口飲んで立ち上がるとキッチンで湯飲みを洗い浴室に向かった。



浴室に入ると広さと豪華さにため息が出てしまう。


浴室の前にある洗面台は大人が3人立っても使える位に広くて、その隣の部屋にはドレッサーとイスが置かれている。



初めてゆきちゃんのマンションに遊びに来たのは2年前。


あの時は夢のようなマンションですごく羨ましかったのを思い出す。


これからここで生活するのが信じられないな。


このマンションは有名芸能人も住んでいるってゆきちゃんが教えてくれた。


もしかしたらエレベーターで会うかもねと。


芸能人に会ってみたいけどわたしはゆきちゃんがいてくれればいい。



お風呂から上がった杏梨はブルーのパジャマを着てリビングに行った。


ゆきちゃんはさっきまで座っていたソファーに仰向けになって本を読んでいた。



「お先に頂きました」


声をかけるまで雪哉は杏梨に気づかずハッと驚いた。


それほどまでに真剣になる本って……?


カバーがかかっているから何の本を読んでいるのかわからない。



「あぁ 杏梨 冷蔵庫にミネラルウォーターのペットボトルが入っているから勝手に飲んで」


「うん ありがとう」


杏梨はお風呂上りの石鹸の香りを漂わせてキッチンへ行った。




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