Love Step
「私は妹みたいな杏梨ちゃんが幸せそうだと嬉しいの 弟を3年前に亡くしているから」


「琴美さん……」


優しい言葉を言われて言ってしまいそうになる。


「昨日、一緒にお食事をしたから……帰ってから何か良い事があったのかしら?それともサロンに来てから?お客様にナンパされた?」


「ナ、ナンパですかっ?ち、違いますっ!」


「じゃあ、おうちで何か良い事があったのね?」


琴美は杏梨の事を興信所に依頼し調べ上げていた。

杏梨と雪哉、2人の両親が結婚してアメリカに渡米し、一緒に住んでいることも。

杏梨と雪哉がただの兄妹の関係だとは思えない。

雪哉が杏梨を見る表情や、杏梨が雪哉を見る雰囲気からして何かあると勘ぐっていた。


「……そうなんです」


「杏梨ちゃんが羨ましいわ~ 可愛くて素直で、貴方みたいな妹だったらオーナーは可愛がってくれるんじゃなくて?」


琴美は雪哉をオーナーと呼ぶ。


「あら、嫌だ、ごめんなさいね 知りたがり屋のおばさんみたいね」


「いいえ、琴美さんはおばさんじゃないですっ」


琴美の申し訳なさそうな表情に杏梨は急いで言った。




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