Love Step
「ちょっと!彩さん!何をしているの!?」


めぐみは彩の横に立つと早口に問う。


「酷い人ね!」


めぐみには応えずに、彩は杏梨に暴言を吐く。


酷い人……?


何がなんだか分からない。


ソファーに座って待っていた客も突然の彩の行動にざわめいている。


「彩さん、わたしが何をしたというんですか?」


ジンジン痛む頬を気にしないように杏梨は彩に聞いた。


「そうよ、いきなり雑誌で叩くなんてどうかしているわ!」


めぐみが憤慨している。


わなわなと肩を震わせている彩を見てから杏梨を見る。


杏梨の頬が熱を持ったように赤く腫れていた。


「かすみちゃん、冷やしたタオルを持ってきて!」


めぐみがスタッフに頼む。


頼まれたスタッフはすぐに奥へ消えた。


「何も知らないような顔をしてやる事がすごいのね?」


更に彩は訳の分からない事を言った。


「だからっ!わたしが何をしたんですか!?」


酷い言われように杏梨は涙を堪えた。


「彩さん、落ち着いてください」


興奮している彩をめぐみがなだめる。 


「落ち着けるわけがないじゃないの!あれほど言わないでって頼んだのに!」


そう言われても杏梨には何がなんだか分からなかった。



「何を騒いでいるんだ!?」


下の騒ぎを聞きつけた雪哉は下へ降りてくるところだった。




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