Love Step
峻は今までの経緯を話した。


そして話し終った時にはどっと疲れを感じた。


「それほどまでに好きだとはね~」


真緒が感心したように言うと、峻はソファーにぐったり身を沈めた。



私には絶対に出来ないな~

好きな人がいる男をそこまでして手に入れたいと思わない。



「……どうしたら良いと思いますか?」


「ん~ これはただ単に彩は自分を痛めつけただけだと思うの 杏梨ちゃんを陥れて雪哉さんに愛されると思ったら間違いだわ」


「そうですよね……」



雪哉さんは杏梨を愛している。

どんな事があっても杏梨を手放さないだろう……。



「峻にはチャンスかもしれないけど?」


「はあ?」



俺にはチャンスって?どういう事だ?



ポカンと大きな口を開けた峻に真緒が笑う。


「杏梨ちゃんが好きなんでしょう?このまま優しくいたわったらなんとかなるかもよ?」


「何とかなるって……」



ちらっとそんな事も考えたけど、やっぱり人間正直であるべきだ。



そう考え頷くと、視線をベッドの方へ動かした。


その瞬間、峻は固まった。


「あ、杏梨っ!?」


杏梨はベッドの上に起き上がりこちらを見ていた。


峻の素っ頓狂な声に真緒もベッドの方を見た。


「……今の話……本当?」


杏梨は呆然としたままの表情で峻に聞いた。


「起きていたのか!?どこから聞いていたっ!?」


峻は苦悩の表情を浮かべてベッドに近づいた。




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