Love Step
「青年?病院で何かあったの?暗いぞ?」


床の上に座っている峻は頭を抱えていた。


「えっ?」


物思いにふけっていた峻が顔を上げた。


「彩はすぐに退院できるんでしょう?」


「たぶん……」


「じゃあ なんで暗いのかな?」


「それは……」


峻は真緒に聞きたいことがあった。


本当に月光ジャーナル編集部の浜田 晴美が姉の友人なのか。


峻は立ち上がると杏梨の眠っているベッドに近づいた。


眠っているのを確かめると真緒の所へ戻る。


「杏梨ちゃんに聞かせたくない話なの?」


「……はい」


「そう……話してみて?」


ちらりとベッドの方へ視線を泳がせてから峻に言った。


「月光ジャーナル編集部の浜田 晴美さんは姉の友人ですか?」


「ええ、そうだけど?」


「姉貴の記事を載せたのは彼女です」


「まさか!?彼女が彩を陥れる記事を書くわけないわ!」


真緒が目を見開いて驚いた。


「彼女が陥れたのではなく……姉貴が頼んだんです」


「なんですって!?」




< 283 / 613 >

この作品をシェア

pagetop