Love Step
「ご迷惑をおかけしてすみません あとは、俺が見ているので雪哉さんは帰ってください 杏梨が待っています」


「杏梨にはさっき電話したから大丈夫だよ」



この記事がどういういきさつで出てしまったのかわからないが、放っておくわけにも行かないと、雪哉は考えていた。



「でも、ここに2人でいても――」


「峻は帰って!」


病室に彩の声が響いた。


「姉貴っ!」


「雪哉さんがいてくれるって言ってくれたの だから峻は帰って」



* * * * * *


駐車場でマスコミを無視して車に乗り込むと、思いっきり深いため息が出た。



こんなに必死だとはな。

付いて行けないよ……。



* * * * * *



静まり返った部屋。


杏梨は眠れなくて寝返りばかり打っていた。


そして心を決めた時、空は白んでいた。



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