Love Step
目が覚めると隣にゆきちゃんはいなかった。



「ゆきちゃん?」


シーツに片手を付いてキョロキョロと探す。


そこへ少し開いたドアから雪哉が顔を覗かせた。



「ぐっすり眠っていたね」



「え……?」



「出前を取ったんだ おいで」



テーブルの上には大好きなお寿司が置かれていた。



「わぁ、お寿司だぁ」



「さあ、座って 食べよう」




杏梨を席に着かせてから雪哉は座った。




いつもならば会話が弾む食事の時間なのだが、今は話す言葉は一言、二言。



「食べ終わったらドライブに行こうか」



「……うん」



ドライブでなら話す勇気が出てくるかも……。



杏梨は頷いた。




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