Love Step
「あ~ 良かった 大丈夫なんですね?」


峻はホッと肩を撫で下ろした。



「あぁ 会っていくかい?」



ちっ!俺があいつのこと好きなのを知っているくせに余裕だな。



「そうですね 行きます」


峻は雪哉の後についてエレベーターを待った。



待っていると、雪哉のポケットの携帯電話が振動した。


ヘアサロンからだった。



「……ちょっと失礼するよ」


雪哉は峻に断るとロビーを抜けて外へ出た。



「雪哉です」



『雪哉さんっ!いったいどこへ行ったんですかっ!雑誌社の方、ずっと待たれていますよ』



「……そうだった」



すっかりインタビューの事が頭から抜け出ていた。



「10分で戻る」



電話を切ると峻のところへ戻る。



「峻くん、すまない 店に戻らなくてはならないんだ 杏梨の病室は601号室 このエレベーターで6階へ行けばすぐ分かる じゃあ」


早口に言うと峻が何か言う前に雪哉はで外に向かった。



余裕って訳か……。



峻は肩をすくめて、ちょうど開いたエレベーターに乗った。



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