Love Step
「今日はとても驚いてしまって……」


彩が口を開いた。


「ああ」


「峻の運転する車が水溜りを跳ね上げてしまって……本当に申し訳ない事を……彼女は大丈夫でしたか?」


「とりあえず軽症で済んだよ 24時間は様子を見てくれと医者から言われているけどね」


「まあ……なんて可哀想な事をしてしまったのでしょう」


彩は口元に手をやった。


「わざとしたわけじゃないんだから気にしなくて良い」


「……ありがとう 雪哉 峻もなんだか落ち着かないらしくて……」


「峻くんか 病院であった時は驚いたよ」


「ええ、峻も驚いたって 彼女は雪哉の妹さんだったのかって」


妹と言ったが本当にそうなのかは自信がない。


彼女の立場を知るためにわざと妹と言ったのだ。


雪哉はコーヒーを一口飲んだ。


「彼女は……雪哉の……」


かまをかけたのに話してくれない。


彩は思わず聞いていた。


「父と彼女のお母さんが結婚したんだ」


「まあ、義理の妹さんって事なのね?」


杏梨が義理の妹だと知って彩はホッと肩を撫で下ろした。




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