Love Step
「お客様、このタイプはペアでありますよ?」



男性のペンダントヘッドは深いブルーのスワロフスキーが埋め込まれている。



女性はきれいなピンクのスワロフスキーだ。



結局、杏梨がそれを買うと香澄もペアが欲しいと、違う形のネックレスに決めた。



買い物に満足して駅に向かっていると、杏梨がふいに足を止めた。



そして急いで振り返る。



「どうしたの?」



「か、香澄ちゃんっ!先に帰って」



すれ違ったのは杏梨を階段から落とした男だった。



花火大会の時のように女性と歩いていた。



「帰ってって!ちょ、ちょっと待って!」



急に来た道を戻る杏梨を香澄は追いかけた。



「ちょっと待ってよ~ 杏梨~ 何か落としたの~?」



来た道を戻って行く杏梨を追いかける香澄は追いついた。



杏梨が立ち止ったからだ。



柱の影から顔だけを出している。



香澄は杏梨の見ている方を見た。



「?」



男女のカップル?



男性が女性の肩に腕を回したカップルが、並んでいるアクセサリーを見ている。



「あの人たちがどうしたの?」



「あのね……あの男の人、わたしを階段から落とした人なの」



眉をへの字にして困惑したような顔の杏梨だ。



「えええっ!!!?」



香澄が思わず大きな声を出した。



< 516 / 613 >

この作品をシェア

pagetop