Love Step
「あきら、いったい何を言っているの?」



背中から汗がつーっと流れるのが分かった。



何を考えているの?



「どうしてあの子を恨んでいるんだ?」



「どうだって良いでしょ?」



「それが良くないんだな~」



ニヤッと笑ったあきらは琴美に近づいた。



トンと肩を押され、2人がけのラブソファーにしりもちをつく格好で倒れる。



「きゃっ!」



薄気味悪い笑みを浮かべながら目の前にしゃがむあきらに琴美はごくりとつばを飲み込んだ。



「なあ?教えてくれよ」



静かな口調だが聞くまでしつこいだろう。



「わ、わかったわ 話すから……水を飲ませて」



琴美はあきらの視線から逃れるようにキッチンへ向かった。



しつこいあきらに帰ってもらうには話すしかないようだ。




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