Love Step
「あの子の名前は西山 杏梨 高校3年生 なぜ憎んでいるかと言うと……」



琴美は弟の事件を話した。



そして琴美の逆恨みをあきらは笑った。



「お前の弟が悪いんじゃねー?」



「そうよ!分かっているけれど、あの子さえいなかったら事件は起こらなかった」



涙が出てきて琴美の頬を濡らした。



「あの子がいなくても性的衝動に駆られた奴なんて他の女を捜していたさ まあ、杏梨って子は3年前も美少女だったんだろうけどな」



「もうあの事件と彼女の事は忘れたいの お願い 彼女の事は忘れて」



琴美は心の底から思った。



もうあの子の事は忘れる。かかわりを持たないと決めていたのだ。



「それは出来ないな 俺、あの子が欲しくなった」



「お願いっ!やめて!あの子には婚約者がいるの」



「婚約者?まだ高校生のあの子に婚約者?誰なんだよ?その幸せな奴は」



「……」



「言えよ!」



あきらは怒鳴った。



「……私の勤めている美容室のオーナーよ」



「オーナー?おじさんじゃねーの?」



あきらのおじさん発言に琴美は顔をしかめた。



「2人は愛し合っているの 割り込む隙はないわ」



けん制をこめて言った。



「割り込む隙がないんなら強引にやるしかないな」



返ってきたあきらの言葉に愕然となった。



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