To Heart
店の片づけが全て終わり、閉店作業が終わったのは23時すぎだった。
お互いに自転車で用賀から通っていることを知ると、彼女の方から「よかったら、一緒に帰ろう」と誘ってくれたのだ。
しかし、いざ帰ろうと自転車を走らせると、突然彼女の様子がおかしくなり「やっぱり、先に帰って」と言われ、不思議に思い、ふと自転車に目を向けると、彼女の自転車のチェーンが見事に外れていることに気付いた。
「電車で帰るから気にしないで」と言った彼女に、僕は思わず
「方向一緒だし、後ろに乗ってください。送ります!」
と、自分でもビックリするような大胆なことを言ってしまい……
彼女は僕の勢いにちょっと驚いたような顔をしたが、自転車の後ろに乗ってくれたのだ。