To Heart
彼女と最後に会ってから、2ヶ月ほど経った日の事だ。
いくら彼女の姿を捜し求めても、見つけることが出来ないまま2ヶ月以上経つと、さすがに諦めるしかないと思い始めていた。
彼女はきっと元気になっているだろうと、思い込むしかなかった。
未消化の想いを抱えたまま、僕は彼女を捜すのをやめた。
しかし、彼女に会えないのは分かっていながらも、彼女のマンションの方を回って駒沢に向かうのは、すっかり習慣になっている。
その日は午後からの授業と、学校の後はバイトの予定だった。
彼女を捜すわけでもなく、ただなんとなくその道を走っていると彼女のマンションの前に引越のトラックが停まっているのが目に入った。
まさか? と思い、僕はその近くで足を止め、少しの間引越屋さんが荷物を運び出すところを見ていた。すると、突然背後から
「川口くん?」
と僕を呼ぶ声が聞こえる。心臓が止まってしまうのでは、と思うほど驚いた。
間違いなく彼女の声だった。