To Heart


それが、僕が彼女を見た本当の最後だった。

「行ってしまったな……」

彼女が去った後、ため息混じりにボソッと呟いて、なんとなく空を見上げた。

5月の優しい風がそっと僕の横を通り過ぎて行き、雲一つない青い空がどこまでも続いていた。

美しい青空に向かって僕は祈る。



彼女の未来がこの空のように、どこまでも晴れ渡っていますように───と。

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