To Heart
最近『彼女の視界に入りたい』と、思う。
こうして一方的に彼女を盗み見るだけでなく、彼女にもこちらを向いて僕のことを見て欲しいと……
だからといって、自分から話し掛ける度胸はないし、自信もない。
やっぱり僕に出来るのは、せいぜい彼女が視界の端に入る範囲で本を探すフリをする位なのかもしれない。
いつものように視界の端に彼女の姿を感じながら、僕はなんとなく『彼女の視界に入る方法』を考えていた。
ベタな恋愛小説みたいに
同じ本にさりげなく、同時に手を伸ばしてみる──
わざとぶつかってみる──
ハンカチを落として拾ってもらう──
様々なベタな「出会いパターン」が頭を埋め尽くす。