To Heart
「理央ちゃん!?」

「もう違うの?」

もう一度そう聞いてきた理央ちゃんの目が、あまりにも真剣なので、僕は

「あれから何年も経ってるし、さすがにね」

と、恥ずかしいながらも答えた。すると

「大学の時に付き合っていた娘と?」

理央ちゃんは更に僕に追求して聞いてきた。

「どうしたの? 理央ちゃんこそ酔ってる?」

今度は僕が理央ちゃんの顔を覗き込み尋ねると、理央ちゃんは大きなため息を一つ付いて、まだグラスに半分以上残っていたシャンパンを一気に飲み干した。

「だ、大丈夫!?」

「全然平気……だよ」

理央ちゃんは静かにそう言い、泣きそうな表情で俯いた。
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