To Heart


──夢を見ていた。

真っ赤な車の助手席に彼女を乗せて、僕が運転をしている。

「気持ちいいね!」

窓から入ってくる風を受けて、彼女はそう言い、楽しそうに僕に笑い掛ける。

「うん」

一瞬彼女の方に目を向け、僕も笑ってみせる。

するといきなり、夜になり僕が彼女の家の前(と思われる)に車を停める。

「ありがとう。今日は楽しかったわ」

彼女がシートベルトを外し、車を降りようとドアを開ける。

僕は彼女の手を咄嗟に掴む。

驚いた顔をする彼女。
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