To Heart
「今日は、思いがけずあなたと一緒にいられて嬉しかった……」

切羽詰まった表情で僕がそう言うと、彼女はドアをもう一度閉めて、泣きそうな顔になり

「そんな顔で見ないで……苦しくなる」

と言って潤んだ瞳で僕を見つめる。

僕の唇にゆっくりと触れる彼女の指先。

ドキドキと、心臓が高鳴っていく。

「僕じゃダメなの? 彼じゃなきゃ……」

喉の奥から絞り出すような声で彼女に尋ねる。

すると僕の言葉を遮るように、彼女の顔が僕に近づき、まるでその先を言わせない様に強引に唇が重ねられる。

戸惑いながら僕は彼女をギュッと抱き締め、唇が彼女の方から離されると、今度は僕から深く激しいキスを彼女に返す。

抑えがきかなくなった僕は、彼女を求め始める。

「啓太……」

耳元で、吐息混じりに僕の名を呼ぶ彼女の声──。


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