To Heart
僕はついに理性の限界に達し、真美子ちゃんの背中に震える指先を回そうとした。

その瞬間、ふっと頭をよぎる先ほど見た夢。

「ご、ゴメン! 無理!!」

間一髪で我に返った僕は、自分の邪念を払うように大きな声でそう言うと、両手で真美子ちゃんの肩を掴み僕の体から引き離した。

「なんで?」

真美子ちゃんの声が不機嫌になる。

「好きな人がいるんだ」

僕が必死になって言うと、

「だからって、一回試してみたっていいじゃない!」

と、真美子ちゃんは怯(ひる)む気配がない。

僕は焦るあまり、思わず言ってしまった。

「試すとか! そんなこと出来ないよ! 僕、初めてなんだ!」


20歳になった今でも、自分が童貞であることを……




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