To Heart
「でも、ホテル代ぐらいは……」

「一応聞いてみるけど、多分、意地でもいらないって言うと思うよ。じゃあ、またね!」

そう言って理央ちゃんは僕に手を振ると、近くを通りかかった友達と一緒に、階段の方に向かって歩いていった。

女の子相手にこんなに長く2人で盛り上がったのは、初めてのことで、後になって自分でも驚いた。

理央ちゃんには、人の緊張を和らげる不思議な力があるのかもしれない。

初めは神谷が見た目だけで理央ちゃんのことを好きになったのかと思ったけれど、神谷の見る目は確かだな。と、妙に納得してしまい、思わず

頑張れ! 神谷!!

と、心の中で神谷にエールを送った。
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