To Heart
「なんか、どうしたいのかよくわかんないんだ。このまま想い続けたいのか、忘れたいのか……」

「その彼、俺らとあまり変わんないんだろ?」

「多分」

「奪っちまえ! その彼がストライクゾーンなら、お前でも可能性あんだろ!!」

「そんなこと出来ないよ!」

「なんでだよ?」

好きな人を彼氏から奪うなんて大それた事、よほど自分に自信あるか、頭を真っ白にしなければ出来ない。と思う。

彼氏といて目に見えて不幸だと言うなら、考えなくもないが、あんな風に寒空の中、じっと仕事が終わるのを待っているような、優しい彼氏が相手では、僕にはどうしようもない。

「じゃあ、神谷は出来るの?」

「……できない……」

「飲むか……」

「おう……」

僕たちは飲んで、ポツリポツリと、お互いつぶやくように話し……

最終的に酔いつぶれて寝た。

そんなサエない冬休みの幕開けだった。

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