来栖恭太郎は満月に嗤う
そのやり取りの途中で。

「来栖様」

クレオが口を挟む。

「我々は朝食の準備がありますので…そろそろ失礼させて頂いてよろしいでしょうか?」

「……」

俺は無言でクレオを見やる。

フン、リルチェッタを助けたつもりか。

背筋を凍りつかせるような視線をクレオに向けるものの、包帯で顔を覆った彼の表情の変化は読み取れなかった。

…まぁいい。

無言のまま追い払うような仕草を見せると、クレオとリルチェッタは俺に一礼して、静々と部屋を出て行った。

ドアが閉じた後。

「リルチェッタ、あまり上手くないですね」

扉の向こうでクレオの声が聞こえてきた。

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