来栖恭太郎は満月に嗤う
醜悪で、凶悪なその出で立ち。

常識的で刺激のないつまらぬ日常を過ごしてきた人間が目の当たりにすれば、たちどころにパニックに陥り、己の目を疑うであろう。

俺の目の前に立つハルパスの姿は、それほどまでに非現実的なものだった。

こんな生物、創作の中でしか存在しない。

普通の感覚ならばそうだろう。

しかし。

「く…くくくくくっ」

ハルパスと初めて遭遇した時も、今この瞬間も。

俺は戦慄するほどの歓喜を感じずにはいられなかった。

< 91 / 162 >

この作品をシェア

pagetop