忘れられない人
そして私は、

バイクに対して恐怖感を持っていることを話し始めた・・・。

一瞬の動作の誤りで、バイクは転倒してしまう。

それに、怪我もつきものだ。

車の運転がどれだけ楽か・・・私は更に1年後に知ることになる。

「・・・転んだか。そりゃあ、痛い思いもするし、怖くなるわな。」

凌に言われて、私はシュンとなる。

「でも・・・な。中野が自分で、免許を取りたいって言っただろ。誰が何と言おうと・・・だ。」

ひとつひとつ、言葉をくぎりながら・・・

凌は言葉を選んでるのかもしれない。

「そんな中野が素敵だと思ったし、オレは応援したいと思った。だから気にかけてた。せっかく高いお金を払ってまでしようと思ったんだから・・・オレは最後までちゃんと免許を取ってもらいたいな。酷な言い方かもしれないけど、途中で投げ出してほしくない。」

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