忘れられない人
凌の言い分はもっともだった。

確かに誰に言われたわけでもなく、

ましてや、両親、友達の反対を押し切ってまでも、自分で選んだ道なのに、こんな簡単に自分でまた閉じようとしている・・・。

私はどこかで、危ないからもう辞めていいよ・・・という言葉を期待していたのかもしれない。

でも、凌は違った。

ある意味、厳しいな・・・とは思うけど、間違ってない。

やさしい言葉をかけるだけが、やさしさじゃないのだ。

「明日・・・教習所、久しぶりに行ってみようかな。」

私は少し前向きに考えられるようになり、そう口に出してみた。

じゃないと、教習所に行くきっかけがもてないような気がしたからだ。



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