忘れられない人
「あ・・・明日までお休み。ってか、水曜からにしなさい。水曜、頑張って早くあがってくっから、オレ、中野が走るトコ見てるよ。オレが見てたら、プレッシャーでコケらんないって!もしコケたらそのときは・・・おしおきするからな!」

「明日は?何でダメなの?」

凌が明日からでなく、水曜から・・・と言ったことが気になっていた。

そして、水曜にまた会えるということで、私は心躍らせていたんだけど。

「明日は、さ。久しぶりに、家でも仕事すんのやめて、ゆっくりしようって思ってたんだよね。ほら、こんなに痩せてきてるしさ(笑)。けど、予定変更。この前ほど遠出はできないけど、どっか行かないか?何か予定ある?」

・・・凌が誘ってくれた・・・。

今まで私から誘うことばかりだったので、こういったことは初めてだった。

「おい、中野?」

「予定・・・ないです。だって、教習所に行こうかなって言ってたくらいですよ?」

もちろん、あったとしても、どうにかキャンセルする!!!

そのくらい、凌からの誘いは、私にとって何よりものご褒美に感じられた。
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