忘れられない人
凌に促されるまま、3人で先に店に入ることにした。

「あっっ!」

「どした?羽田。急に大きな声で。」

「私、買わなきゃいけないものあったんだ。忘れてた〜。」

「何、急ぎ?」

「そうなんですよ、会社の先輩の頼まれモノなんで、ちょっと用、済ませてきちゃいますねー。先に飲んじゃっててくださぁい。」

そう言って、みちるはちらっと視線を送ってくる。

え・・・ちょっと、二人にしないでよ・・・。

とっさに私は、

「私も付き合おうか?」

と言ったが、

「すぐ済むし、ね!じゃ、またあとで〜。」

と、小走りで行ってしまった。

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