忘れられない人
だって、3万5千円だよ?

彼女ならまだしも、後輩の友達なだけの私に、そんな高いもの買ってあげるか?!

「いやいや、無理です・・・。自分で買います。」

私は注文表を握り締めた。

「メットは・・・免許取るって聞いたときに、買ってやろうと思ってたんだよ。」

しかし、私はその辺堅いのか、素直に買ってもらうことはできなかった。

凌がマフラーを見入ってる隙に、これまた一緒に選んでもらった女性用の皮のグローブ(1万円ナリ)と共に、レジに持って行き、会計を済ませた。

「そろそろオイル交換しなきゃだから、オレはこれ買うわ。・・・中野、さっきの注文表貸して。」

凌が手を出すが、

「もう、支払い済ませちゃった。こんな高いの、買ってもらえないですもん。」

私は支払い済みのレシートを見せた。

「え・・・いつの間に・・・。」

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