太陽キャンディ






だから、自分から口を開くことが出来なかった。


本当は質問攻めにしたいくらい、彼は謎に包まれてる。








「……なあ」




沈黙に耐えかねた彼が、振り向かないで俺に声を掛けた。


その呼び掛けに戸惑いながらも顔を上げる。








「朋史から聞いたんだけどさ、前のお前の相方ってどんな奴だった?」




風に霞むくらい小さな声で、疑問を投げかける。
その疑問に、俺は瞬きを繰り返した。






「ほら、ピッチャーでもタイプあんだろ? 速い、とかコントロールいいとか。自分の理想だとか」




ぼそぼそと話し始める彼に俺は


「……いいピッチャーだった、のは確かだけど」






ピッチャーも人間だし、人間それなりの良さがピッチャーにも出てくるって俺は思っていたから。












成海のことは何も言えなかった。
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