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「理沙、ずっと待ってたんです。
久しぶりに家に帰って来て、
チャイム鳴らして、
でも誰も出てこなくて。
今までずっと泣いてました。
泣きながら眠ってました」
お父さんはそんな流の言葉を、
ただ黙って聞いている。
「理沙はきっと恐がってます。
…ひとりを。
新しいお母さんが出来て、」
そこで流はチラッと恵さんを見た。
「赤ちゃんが生まれて、」
朱音を見る。
「理沙は家族に遠慮しました。
『私は邪魔』だと。
笑い合っているあなたたちを見て、
幸せそうな顔をしているあなたたちを見て、
理沙は一緒になって
笑顔にはなれませんでした。
単純に思ったんだ。
離れなきゃ、と」
もう、顔を上げて
お父さんを見る事は
できなくなっていた。
溢れる、
溢れる涙。