君だけのもの
「あ…そういえば…陽奈の両親どっか行ってんの?」
…そっか…まだ言ってなかったんだっけ…
「…うん。あたしとお兄ちゃん置いて…逝っちゃった…」
「何?駆け落ち!?」
日悠は冗談っぽく言った。
「…そうかも…」
「ぜってぇ戻ってこねぇの?」
当たり前だよ…
本当は…あんまり親の事…触れてほしくないんだ…。
辛いから…
だって…2人共何をしたでもなく、ただそこにいたから…殺されちゃったんだもん…何も悪くないのに…
それに…もう責める人もいないから…苦しいの。
犯人は自殺したんだ。あたしの両親を殺して。