君だけのもの


だから…



本当の事ははっきりしてないけど、お父さん達は、何も悪くない事だけは、わかってる。


犯人には見覚えもなく、お父さん達との接点もなかったから。
この悔しさと悲しさを誰にぶつけるでもなくあたしは生きて来た。



「いつかは、帰って来る!!それまで待ってるって約束したの!!」

そんな約束…きっと、あたしもお兄ちゃんも…お父さんも、お母さんも…





守れないんだ。








わかってるんだけどね?

現に、あたしとお兄ちゃんは、お母さん達と暮らした家から離れないで今も住み続けてる。


4人が共に暮らした幸せな日々を忘れないように…。


「そっか…じゃあ…俺も待たなきゃな!!陽奈を貰うんだし?」

「ちょっ!!日悠!!」

「本当の事だろ?ってかお前に拒否権ないしっ!!」



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