女性に声をかける10年
(つづき)

俺「おぉ…」
女「早かったですね…」
俺「コーヒーすぐ飲んできたからね」
女「席にいなくてびっくりしましたよ」
俺「ご飯食べる?」
女「はい!」
俺「そこでいい?」
女「あ…駅の反対側でいいですか?」
俺「あ…うん、行ったことないけど…バイトの人に見られる?」
女「…はい…彼氏に見られるかも…」

話してて分かったのが、バイト仲間に彼氏がいるらしい…だから、店でキョロキョロしてたみたいだ。

居酒屋で軽く飲んで店を出ました。

女「ごちそうさま~」
俺「ありがとね」
女「えぇ!ありがとうは私の方ですよぉ…奢ってもらったの初めてです!いつも割り勘なので…」
俺「でも楽しかったからね」
女「私も楽しかったです」
俺「そしたらもう一軒付き合える」
女「…」
俺「タクシーで別の駅に行こうか?」
女「はい…」

タクシーに乗る…

奥に女性…

後部座席の中央があいている…

ふとした拍子に女性の手があいている中央に…

さりげなく手を重ねる…

女性がビクっとして…手がひっこんだ…

(残念)

出した手をひっこめられず、中央に手が置いてきぼり…しばらく経ちます…

(ん!)

女性から手を握ってくれました。


黙ったままのタクシー…
後部座席にできた空間で触れあう手…幸せな時間…

俺「少し先まで…」

タクシーの運転手に指示を出します。

ラ○ホテルの近く…

俺「ここで…」

タクシーを降ります。

俺「どこか分かる?」
女「分かりますよぉ…」
俺「そこ入る?(ホテル)」
女「あ…彼氏いるんで…」
俺「じゃあ飲もうか?」
女「…はい…」

お酒を飲んで帰りました。
これ以降ファミレスに行かないまま、この場所での仕事が終了しました。

連絡先も知らないため、もう会うこともなさそうです。

手と手が触れるだけ…

でもあんなにドキドキした。

あぁいう時間が好きです。
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