君に恋して…
  くるみSIDE
“1番線ドアが閉まります。”私達が乗らなきゃならない電車が行ってしまった
「ぁ~あ、電車行っちゃった。昴が、Suica忘れて、切符買ってたからだよー。」
ため息混じりで昴に言ってみる
「だな」
龍も同じ意見らしい。
「だなって龍まで…、それに空が急がせるから悪いんだからな。ん?あれ?」
ふと、昴は、ホームをみて目を細めた。
「なに?何かあった訳?」
冷たく私が言うと、昴は
「何か、あそこら辺光ってない?」
平然と言った。だから私もちょっとテンションを上げて言ってみる
「宝石かな!?」
「んな訳ないだろ」
冷たく龍は言って、光っている物の方に近づいて行った。
何よ、ひとがせっかくテンション上げて言ったあげたのに…まっ、どうせゴミか小銭かとかじゃない?期待してないけど…
龍は落ちていた物を手にとって、眉間にシワをよせながら私達の元に帰ってきた
「なんだった?」
私が、聞いてみると
「これ」
そういって差し出したのは・・・・。
可愛いピンクのケータイ。
しばし沈黙・・・
「龍の?」
昴が真顔で言ってきた。いや、んな訳ないでしょ昴。秀才過ぎて頭がおかしくなってしまったのか!!。って言う訳無いけどね…  
「落とし物でしょ?これ、」
「あぁ、多分さっきの電車乗ってった奴」
よく、わかるね
というか・・・
「ねぇ、どーすんの?」
「届ける」
いつも、龍は、突拍子も無いことを言い出すのだ
「無理があるかと思う」
「昴が言うとおり、誰のかわかんないんだから」
「じゃあ、なんだ、お前ら、ケータイ無くしたやつのことを考えずに駅員に“落ちてましたよ~”とか言って、のこのこ学校に行くのか?え?」
そういってあたしに詰め寄る龍。
「そ、そうゆう訳じゃ無いんだけど」
「だったら届けにいくぞ!」
「え!今から!」
「そっ、今から」
「龍って急に突拍子も無いこと言うよね…」
昴の言う通り、龍ってほんっとう急だよね…
「行くぞ」
「あっ、ちょっと!」
「待ってよ!二人とも!」
そういって、歩きだすあたしたち
大丈夫かな……
「で、当てはあるの?」
「……ない」
って無いんかい!
大丈夫なのかな……
あたしたちはピンクのケータイを握りしめあるきだす
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