ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

「どうしたって…何が?」

「テレビ、見てたのよね?」

「もちろん!!」


伯母さんの表情が
益々険しくなっていく…


「国会中継を…?
あなたたち2人で見てたの?」


はぁ?


「国会…中継?」


テレビの画面を確認すると
確かに、名前も知らない大臣が、答弁してる…


「た、たまには…いいかなって…」


苦しい言い訳をする私に
伯母さんは
「気味が悪いわね…」と、言って
重そうなエコバックを抱え
キッチンに入って行った。


横を見ると
必死で笑いを堪えている聖斗。


「もう!
聖斗もなんか言ってよ!
私、ビビッたー」


すると、聖斗は
ソファーの背もたれに顔を押し付け
声を殺し、体を震わせ笑いだす。


「悪りぃー、今の美羅の顔
マジ、ウケた」

「からかわないでよ!」

「じゃあ、俺、部屋行くから…
美羅は暫くしてから上がってこい」

「あ…聖斗」


また、置いてけぼりだ…


確かに2人で二階に行くのは
マズいか…
仕方なくリビングで時間をつぶす。


訳の分からない国会中継を見ながら
色々、考えてみた。


昨夜、聞きそびれたこと
やっぱり、聖斗に聞いたほうがいいよね…
こんなモヤモヤした気持ちじゃあ
とても耐えられない…


キッチンを覗くと
伯母さんは、機嫌よく夕飯の支度をしている。


そろそろ、いいかな…


私はリビングを出て、階段を上がり
聖斗の部屋の少し開いたドアの隙間から
中を覗いた。


「聖斗…」

「こっち、来いよ…」

「うん」


聖斗の横に座り
体を密着させると
包み込む様に私を抱き寄せる聖斗…


「聖斗、どうしも聞きたいことあるの」




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